Mitsukiの魔法実験室

Mitsuki's Magic Laboratory
Since 2002.09.14

M-V廃止にまつわる話

Posted at 2006/09/21 14:13 in Science

 ペンシルロケットに由来し、かの「はやぶさ」を含む数々の科学衛星の打ち上げに貢献してきたM-Vロケットが、数日後の打ち上げを最後に廃止されることになったそうで。
 宇宙作家クラブ掲示板に、その件に関する関係者へのインタビューや取材中の会員の論評などが投稿されていまが、限りなく生に近い取材情報の山には感動を覚えます。以前の松浦blogの時も思いましたが、いい時代になったなあ。

 ……官僚主義のろくでもなさばっかり目につくようになった点が微妙といえば微妙ですが。そのへんのプロセスに興味を持つ人が増えれば、多少は体質改善が期待できるようになるのかな。ならないかな。あーもー政治なんて大嫌いだ。

 ただ、あの掲示板システムだと個々の記事にpermanent linkが張れないので、そのへんなんとかしてほしいところ。ブックマークで晒せないし過去ログ探しにくいし、。

宇宙へのパスポート3

Posted at 2006/09/17 00:12 in Science|Book

 読了。打ち上げ本数は1巻並に少ないものの、前後のエピソード(ロケットついでに見に行った博物館めぐりなど)にかなりページを割いているので、読み応えは十分すぎるほど。
 ツェペリン伯やコロリョフに関する部分にはちょっとほろりとするものもあったり、また「はやぶさ」のイトカワ着陸の話は、わたし自身、2chに書き込みしながら情報追っかけしていたクチなので、現場近くはこんな雰囲気だったんだなーと改めて当時の熱気を思い出しました。
 ただ今巻で気になったのは、それ以前に比べてずいぶんと「暗い」記述が多い点。H-IIAやM5をめぐるJAXAの、またスペースシャトルをめぐるNASAの、「公共事業」故に政治が技術に落としている影を感じてしまうのがやるせないですね……。

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はやぶさ着陸2回目、その2

Posted at 2005/11/26 10:17 in Science

 結果的には、前回とくらべるとあっけないくらいにスムーズに展開。
 6:30頃に降下GOが発令され、7:30頃に上昇開始のアナウンス。その後サンプル回収関係のソフトウェア起動が確認されたとのこと。
 降下中に、前回落としたターゲットマーカーを発見、今回もそれを目標に降下したため、使う予定だった最後の1個は温存しているらしい。偶然にせよ狙ったにせよ、すごい精度……。
 なにはともあれ、着陸成功おめでとうございます。あとは帰還と、2年後のサンプル回収がどうなるか。

 以下タイムテーブル。時刻は例によっていいかげん。

2100:約1840m
2140:約1600m
2230:約1500m
2300:約1350m、降下速度4.5cm/s
0000:約1100m、降下速度5cm/s
0100:(機上時刻)950m、降下速度3cm/s
0200:(機上時刻)900m、降下速度4.5cm/s
0300:(機上時刻)イトカワ中心より570m、降下速度1.6cm/s。管制室中継開始
0324:(機上時刻)570m
0400:500m
0555:460m
0606:垂直降下開始
0610:440m
0623:降下GO発令
0625:360m
0630:330m
0635:300m
0640:260m
0645:220m
0650:180m
0655:160m
0700:120m
0705:90m
0710:40m
0715:14m
0720:LGA通信断?
0726:LGA回復?
0728:blogにて「上昇開始」のアナウンス
0830:DNSより臼田局へ切り替え中
0840:サンプル採取ソフトウェアの起動を確認? 的川さんVサイン
0845:サンプル採取用の弾丸発射を確認
0942:臼田局とのHGA通信確立、ダウンロード&解析開始のアナウンス
0100:管制室中継終了

はやぶさ着陸2回目

Posted at 2005/11/25 23:23 in Science

 1回目は 実は着陸していた という素敵(?)なオチがついてましたが、ラストチャンスの2回目を今日〜明日にかけてやるそうで。って、まだ1週間もたってないのに。
  暫定スケジュール を見る限りでは、前回より2時間ほど遅れてほぼ同じシーケンスっぽい。
  Hayabusa Live は既に開始(例によって前回までのログは綺麗に削除)。5インチFDとリポDは狙いすぎです(笑)。

はやぶさ着陸、その2

Posted at 2005/11/21 02:34 in Science

 結局、おととい夜10時前から昨日朝11時ころまでつきあって、そのまま沈没。
  松浦さんの続報 その他をごちゃまぜにしてまとめてみると、

2100:降下開始
0430:450m、垂直降下開始
0455:370m、着陸GO判断
0510:290m
0520:230m or 250m
0530:160m
0537:114m
0540:90m
0545:70m
0546:40m、ターゲットマーカー放出
0547:35m、LIDARからレーザーレンジファインダー(LRF)高度制御に切り替え
0555:17m、姿勢をイトカワと水平にするため自律制御へ。ハイゲインアンテナ(HGA)通信断、ローゲインアンテナ(LGA)によるビーコンモードへ
0609:はやぶさ上昇開始?→誤報。上昇開始しているべき時刻。
06??:10m?、30分以上ホバリング微速降下したまま?
0637:DNSゴールドストーン局から臼田局へ切り替え中
0700:上昇コマンド、セーフホールドモード移行コマンド送信
????:セーフモードへ移行?(コマンド or 自律)
0851:コマンドへの反応なし、ドップラー変位確認できず、テレメトリモードへの移行コマンドを送信
0932:LGA or ミディアムゲインアンテナ(MGA)通信回復
1212:MGAで通信中、はやぶさの回転(セーフホールドモード)、高度10数kmを確認
1455:臼田局可視終了
といった感じっぽい(時刻は機内時刻・地上時刻・確認時刻がごちゃまぜなので、かなりいいかげん)。

 何が起きたのか。一言で言えば、イトカワ地表で「何か」が起きて、そのままアボート・上昇したといった感じでしょうか。イトカワ星人に襲われた(笑)というわけでもなさそうなので、はやぶさ自体に起因する「何か」なのでしょうが、運用側にも思い当たる節がないとなると、地表の状態、スラスター噴射による不確定外力、ハードウェアトラブル、ソフトウェア不具合、安全機構の過剰反応あたりが思い当たるところですが、さて。

 着陸&試料採取できなかったのは残念ですが、何が起きているのかすら分からない状況下で、最悪の機体ロストまで到らなかったのには一安心。とはいえ、今回の現象解析、輻射熱による装置ダメージ、残存燃料の不安、帰還開始までのタイムリミット、運用側の体力等を考えると、何をやるにしても大変な1ヶ月になりそう……。

 ISASのサイトに 着陸時の様子がドキュメンタリー風? に紹介されてました。これに会わせてタイムテーブルを若干修正。

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